1930年代にアメリカで仕立てられたジャケットとベストです。 男らしさの象徴である肩、胸にゆとりを持たせ、それを強調する為にグッと絞られたウエスト。 この特徴的なシルエットはイングリッシュドレープと呼ばれ、 製法が確立されたばかりの1930年代～40年代のものは 現代のそれと比較すると強烈でありながらも、とても美しい曲線を描いています。 恐らくビスポーク（オーダーメイド）で仕立てられたもので、ラベルに記載された日付から1933年6月14日の仕立てであることが確認できます。オーナーの要望であろう非常に珍しい仕様が随所に盛り込まれた極々稀少な一着で、その上多くの方に合いそうな細めのサイズ感、かつ状態も非常に良好です。通常ジャケットの脇に入れられるダーツ（縫い込み）は左右１本ずつですが、こちらの一着は左右に２本ずつ入れられている上、脇の継ぎ目と等間隔になるよう配置された非常に稀なデザイン。それによって独特な表情とシルエットを生み出しています。 他にもベストの左右胸部にはペン入れと思われるポケット、そしてアメリカ製ではほとんど見られない懐中時計チェーン用のホール等、マニアックな仕様がたまりません。それなりに多くのヴィンテージスーツを見てきたと自負しておりますが、これほど要素が盛り込まれたものを見たのは初めてです。更には市場に滅多に出てこないシングルのピークドラペルと至れり尽くせり。この気を逃せば二度とお目にかかれないと断言できる一着ですので、気になられた方は是非この機会にご検討ください。 アメリカ製としてはかなり厚手の生地で、少々ふんわり、かつ少々ざらつきのある独特な質感。数色のグレーが織り混ざった細かなヘリンボーン柄で、遠目にはやや明るめのグレーに見えます。ハリコシはしっかりと残っていますが、アメリカらしいパリッとした感触ではなく、もしかしたらツイードの部類なのかもと判断に迷う絶妙な生地感です。この雰囲気は近年物では味わえず、 ヴィンテージならではの素晴らしさが詰まったとても良い生地です。 ベストは着丈が短い仕立てとなっておりますので、ぜひ股上が深いスラックスと合わせてご着用頂けたらと思います。 主張しすぎないデザインでありつつもヴィンテージ特有のお洒落な雰囲気を持ち合わせたこちらのお品は ビジネスからパーティまで幅広く活躍する一着だと思います。 - ジャケット 肩幅: 42.5cm 身幅: 48cm （脇下から脇下） 腹囲: 44cm （第一ボタン 最も細い辺り） 袖丈: 57.5cm 着丈: 68cm - ベスト 身幅: 47cm (脇下から脇下) 腹囲: 39.5cm （第五ボタン少し上 最も細い辺り） 前身丈: 58cm 後身丈: 45.5cm 上記は平置きの実寸です。 素人採寸ですので、若干の誤差はご了承下さい。 サイズの確認方法は、お手持ちのスーツ等を平置きで計測し、比較して頂くのが最も確実です。 サイズ間違いでの返品は原則受け付けておりませんのでご注意ください。 ジャケットの袖丈は直し屋さんへご依頼して頂ければ調整が可能です。 その際には後世のため、可能であれば出来るだけ生地を切らずに直して頂けたら嬉しいです。 生地にはしっかりとした張りとコシが残っており、とても約90年も前の物とは思えないほど良好な状態です。特筆すべきダメージはジャケットの内ポケット脇に裂けが一ヵ所、あとは袖裏地に１箇所ピンホールと各所に汚れといった着用に支障がないものが見受けられるのみです。（写真10枚目） 年代を考慮すれば奇跡的に良好な状態と言えるでしょう。 状態は写真と併せてご確認ください。 ― 注意事項 ― ネクタイ、シャツ等の小物は撮影用ですので、付属致しません。 外干しやスチーム等、簡易的なケアは行っておりますが、古着特有の臭いが残っている場合がございます。 また、ヴィンテージという性質上、見落としてしまった虫食いや細かいほつれ等の小さなダメージがある場合がございます。 あまりに大きなダメージの見落としがある場合や、見落としがあまりに多い場合、説明文との著しい相違がある場合を除き、 クレーム、返品等は承りかねますのであらかじめご了承ください。 万が一届いた商品に思うところがございましたらお気軽に御相談ください。 可能な限り柔軟にご対応致します。 その他ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。